2015年02月23日

「日本近代仏教史研究会」とは

日本における近代仏教史研究は、先学の業績を継承しながら、近年とみに多面的な研究の広がりをみせております。それは著作・論文・年表・諸史料集などが次々に刊行され、研究発表の場が活発化されていることからも理解できます。しかし、専門領域の研究を深めることは当然でありますが、それを越えた研究交流や数多くの史料の提供、分析、各分野にわたる研究成果の発表などを含めた本格的な研究、自由な発想にもとづく研究活動は、なおこれからの課題であることも確かです。

こうした課題を認識し、研究の場と交流をはかっていくことを目的として、近代仏教史に関心ある有志によって1992年12月21日に日本近代仏教史研究会は発足され、活動の第一歩を踏み出しました。爾来、今日に至るまで、毎年、研究大会や夏期セミナーを開催し、研究会誌『近代仏教』の発刊を重ねてきました。その成果は徐々にではありますが、確実に積み上げられていると実感しています。

日本近代仏教史研究会の門は、広く開かれてます。自由・自主・自立を柱とした実証的で真摯な研究と研究交流の場としての本会に、これからも多くの方々が参加されることを望みます。

2015年02月02日

夏期セミナーの記録

■ 第1回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1993年7月29日〜31日)
愛知県岡崎市・真宗大谷派岡崎教務所、総合テーマ「近代仏教の諸相」

7月29日
【研究発表】
圭室文雄(明治大学) 「仏教史における近世と近代」
石川力山(駒澤大学) 「教団史からみた近代―曹洞宗と近代―」
石川教張(日蓮宗現代宗教研究所) 「教団史からみた近代―日蓮宗と近代―」
永井隆正(知恩院浄土宗教学研究所) 「教団史からみた近代―浄土宗と近代―」
7月30日
池田英俊(愛知学院大学) 「仏教教団の再編と教会・結社」
赤松徹真(龍谷大学) 「仏教教団の再編と教会・結社」
小林秀樹(大谷大学) 「仏教と教育」
安中尚史(立正大学) 「仏教と教育」
木場明志(大谷大学) 「民俗宗教の再編成」
高木場延定(佼成出版社) 「民俗宗教の再編成」
日野西真定(高野山大学) 「高野山の近代」
柏原祐泉(立正大学) 「仏教から見た近代」
7月31日
【見学会】
案内:青木馨(同朋大学)
大樹寺―蓮泉寺―本証寺―蓮成寺―西方寺―三ヶ根山―豊橋駅



■ 第2回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1994年8月4日〜6日)
滋賀県大津市・天台真盛宗総本山西教寺・研修会館、総合テーマ「苦悩と自立―近代仏教の再編過程―」

8月4日
【研究発表】
黒崎浩行(大正大学大学院) 「妙好人伝の近代」
小野文琳(立正大学) 「「諸寺院連名建白書」をめぐって」
川口高風(愛知学院大学) 「『法服格正』が及ぼした松本藩の排仏棄釈」
8月5日
上杉義麿(大谷大学大学院)・吉村泰明(大谷大学大学院) 「東本願寺の宗教改革」
西山茂(東洋大学) 「在家仏教教団における自立と依存―既成仏教教団との関連において―」
村田安穂(早稲田大学) 「神葬祭から仏葬へ」
池田宏(滋賀県立図書館) 「近江における神仏習合分離の事例」
高木場延定(元草津市史編纂室) 「村法に見られる宗教政策の反映」
8月6日
【特別講演】
木村至宏(大津市立歴史博物館) 「天台真盛宗の歴史と近江坂本の近代」
【見学会】
西教寺山内拝観
叡山文庫(焼討前後絵図)― 一燈園(西田天香関係資料)―泉涌寺(旧境内御陵地・天牌奉安殿)―万福寺(諸堂・宝蔵院鉄眼版一切経印刷現場)



■ 第3回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1995年7月26日〜28日)
神奈川県南足柄市・曹洞宗大雄山最乗寺、総合テーマ「日本近代の国家と仏教」

7月26日
【公開講演】
大濱徹也(筑波大学) 「日本における近代化と宗教」
山岡隆晃(駒澤大学) 「大雄山最乗寺の儀礼空間と現世利益」
大雄山最乗寺山内見学
7月27日
木場明志(大谷大学) 「東アジア近代化と宗教」
門馬幸夫(駿河台大学) 「教学と近代」
井桁碧(聖心女子大学) 「近代の仏教と国家」
松井孝純(法華宗教学研究所) 「薩摩および種子島における廃仏毀釈」
工藤英勝(曹洞宗) 「曹洞宗と国家―明治期「台湾布教」の目的―」
柏木隆法「内山愚童論再考」
野世英水(龍谷大学) 「真宗教団の従軍布教活動について」
御供式参拝
7月28日
【見学会】
林泉寺(箱根・大逆事件連座者、内山愚童住職地)―藤沢市文書館―遊行寺(遊行寺宝物館)−神奈川県立博物館(横浜)−大本山総持寺(総持寺宝物館)



■ 第4回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1996年8月5日〜7日)
京都府京都市下京区・真宗興正派本山興正寺・興正会館

8月5日
【講演】
福島寛隆(龍谷大学) 「近代仏教史像の検証と構築」
【研究発表】
佐賀枝夏文(大谷大学) 「仏教慈善と近代社会の接点―先覚者、九条武子の実践を通して―」
古賀和則(龍谷大学) 「占領下における宗教制度の改編―宗教法人法の成立過程を中心に―」
林淳(愛知学院大学) 「明治の改暦と六曜」
8月6日
藤原正信(龍谷大学) 「福沢諭吉の宗教論―『愚民』観との関連で―」
深瀬俊路(駒澤大学) 「儀礼の変遷と近代の洞門」
滝村雅人(名古屋市立大学) 「近代における真言宗の社会的事業」
中西直樹(京都女子学園) 「近代西本願寺教団における在家信者の系譜―弘教講、顕道学校、そして小川宗一 ―」
福江充(立山博物館) 「立山講者の活動―近代化のなかでの模索―」
浜島典彦(立正大学) 「近代日蓮主義研究―天晴会と法華会を中心として―」
8月7日
【見学会】
興正寺(興正寺文書)―龍谷大学本館(重要文化財)―本願寺書院(岡村喜史氏〈本願寺資料研究所研究員〉の案内)―大本本部(梅松宛/綾部市)



■ 第5回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1997年7月25日〜27日)
東京都港区・浄土宗大本山増上寺、共通テーマ「近代仏教と社会事業」

7月25日
【講演】
宇高良哲(大正大学) 「増上寺の歴史と文化財」
増上寺資料閲覧
【研究発表】
芹川博通(淑徳短期大学) 「渡辺海旭と浄土宗労働共済会」
7月26日
司馬春英(大正大学) 「唯識思想と現象学―北山淳友『仏教形而上学』を中心に―」
渡辺芳(東洋大学大学院) 「教団確立期の新宗教と「宗教的活動」―仏教感化救済の事例―」
土井直子(長谷川仏教文化研究所) 「安達慧忠の社会事業実践とその思想」
落合崇志(大正大学) 「雑誌『労働共済』にみる仏教徒社会事業研究会について」
久米原恒久(淑徳短期大学) 「椎尾辨匡の共生思想」
木場明志(大谷大学) 「朝鮮における土幕民移住計画について」
近藤祐昭(同朋大学) 「真宗と部落解放運動」
共通テーマ全体討論
7月27日
【見学会】
増上寺施設等見学―創価学会国際友好会館等見学―浅草寺社会福祉会館等見学



■ 第6回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1998年8月1日〜3日)
奈良県奈良市・共済会館やまと

8月1日
【講演】
大桑斉(大谷大学) 「近世における仏教治世論」
8月2日
【研究発表】
伊藤立教(日蓮宗現代宗教研究所) 「皇道仏教行道会高佐貫長―時代の模索者―」
吉本信行(大谷大学) 「ビハーラ運動―実践仏教の施行をめぐって―」
ミシェル・モール(京都女子大学) 「明治の禅僧における伝統の連続と非連続―鼎山・虎林南天坊―」
工藤英勝(足利工業大学) 「韓国併合前後の日本仏教の動向―新出資料の紹介」
守屋友江(明治学院大学大学院) 「今村恵猛論―ハワイ仏教とアメリカニズム―」
菱木政晴(西山短期大学) 「国家仏教をどのように定義するか」
吉井敏幸(元興寺文化財研究所) 「明治初年の南都仏教―宗派独立運動を中心として―」
8月3日
【見学会】
北門跡―摩尼珠院―春日大社―鳥居―荒池・鷺池―瑜伽天満宮―元興寺(元興寺文化財研究所にて西大寺近代文書の見学)―猿沢池―興福寺



■ 第7回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (1999年9月1日〜3日)
山形県東田川郡羽黒町・いでは文化記念館

9月1日
【講演】
北村昌美(山形大学) 「森の神々―日本(仏教)と西欧(キリスト教)の対比―」
9月2日
【研究発表】
関口健(鹿沼市史編纂室) 「葉山修験―その展開と解体―」
伊藤辰典(東北大学大学院) 「明治以降の修験寺院の変遷―宮城県の事例を中心に―」
岩鼻通明(山形大学) 「絵図にみる羽黒山の神仏分離」
藤田定興(福島県歴史資料館) 「祠・堂・碑の整理と神仏分離」
島津慈道(正善院) 「「峰入修行」について」
丸山光夫(羽黒町史編纂室) 「町史と出羽三山」
藤田昌信(出羽三山神社) 「羽黒修験の関東への進出」
池田英俊(北海学園大学) 「東北地方における教会・結社をめぐる諸問題」
9月3日
【見学会】
正善院―出羽三山神社―五重塔



■ 第8回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2000年8月22日〜23日)
福島県いわき市・古滝屋

8月22日
【特別講演】
佐藤孝徳(いわき市文化財保護審議会委員) 「明治維新と浄土宗名越派の興亡」
8月23日
【研究発表】
西弘司(東洋大学大学院) 「真宗系宗教教団の比較教学的研究」
小野澤眞(時宗教学研究所) 「時宗における国家観・天皇観の一考察―主として近世から近代初頭に掛けて―」
菅根幸裕(國學院大學栃木短期大学) 「近代における俗聖の消長」
工藤英勝(足利工業大学) 「教典編纂の下部構造―曹洞教会修證義の場合―」
【見学会】
願成寺―専称寺―飯野八幡宮―阿弥陀堂



■ 第9回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2001年9月5日〜7日)
神奈川県伊勢原市大山・式部旅館

9月5日
【研究発表】
工藤英勝(足利工業大学) 「20世紀のおける曹洞宗研究の成果と21世紀への課題」
安中尚史(立正大学) 「20世紀のおける日蓮宗研究の成果と21世紀への課題」
ミシェル・モール(花園大学) 「20世紀のおける海外禅仏教研究の成果と21世紀への課題」
長島尚道(大正大学) 「20世紀のおける時宗研究の成果と21世紀への課題」
原田正俊(高野山大学) 「20世紀のおける臨済宗研究の成果と21世紀への課題」
今西順吉(国際仏教学大学院大学) 「20世紀のおける仏教と文学思想研究の成果と21世紀への課題」
9月6日
藤井健志(東京学芸大学) 「20世紀のおける海外布教に関する調査研究の成果と21世紀への課題」
鷲見定信(大正大学) 「20世紀のおける浄土宗研究の成果と21世紀への課題」
坂本正仁(大正大学) 「20世紀のおける真言宗研究の成果と21世紀への課題」
木場明志(大谷大学) 「20世紀のおける真宗大谷派研究の成果と21世紀への課題」
松下みどり(相模女子大学) 「20世紀のおける女性と仏教研究の成果と21世紀への課題」
林淳(愛知学院大学) 「20世紀のおける修験道研究の成果と21世紀への課題」
野世英水(龍谷大学) 「20世紀のおける浄土真宗本願寺派研究の成果と21世紀への課題」
野本覚成(天台宗典編纂所) 「20世紀のおける天台宗研究の成果と21世紀への課題」
西山茂(東洋大学) 「20世紀のおける仏教系新宗教研究の成果と21世紀への課題」
池田英俊(北海学園大学) 「20世紀のおける近代仏教研究の成果と21世紀への課題」
総括
大濱徹也(北海学園大学) 「近代宗教研究の現状と課題―宗教と信心・信仰の異相をめぐり―」
9月7日
【見学会】
大山阿夫利神社他



■ 第10回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2002年9月5日〜6日)
愛知県名古屋市・真宗大谷派名古屋別院

9月5日
テーマ「国家神道研究と近代仏教研究のあいだ」
パネルディスカッション
発題:島薗進(東京大学)、阪本是丸(國學院大學)、羽賀祥二(名古屋大学)
コメンテーター:大谷栄一(国際宗教研究所)、遠藤潤(東洋英和女学院大学)、西村明(日本学術振興会)
進行:林淳(愛知学院大学)
9月6日
【研究発表】
辻村志のぶ(東京大学大学院) 「石川舜台の「言葉」―明治仏教の一側面―」
吉井敏幸(天理大学) 「大和国内における神仏分離の形態について」
福島栄寿(光華女子大学) 「仏教者の自他意識―暁烏敏の場合―」
木場明志(大谷大学) 「満州仏教総会の国際性」
池田英俊(北海学園大学) 「東北仏教の複合的性格」



■ 第11回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2002年9月5日〜7日)
石川県鳳至郡門前町・曹洞宗大本山總持寺祖院

9月5日
【講演】
東四柳史明(金沢学院大学) 「中世の能登と総持寺」
9月6日
【研究発表】
三浦節夫(東洋大学) 「井上円了と新仏教運動」
總持寺祖院所有近代史料の解説と閲覧
渡会正純「境内絵図解説」
池田英俊(北海学園大学) 「近代史料解説」
圭室文雄(明治大学) 「總持寺祖院史料の特徴と問題」
9月7日
【見学会】
本誓寺―妙成寺―永世寺―大乗寺―前田家墓所



■ 第12回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2004年9月17日〜19日)
和歌山県伊都郡高野町・高野山高室院

【研究発表】
三浦周(大正大学大学院) 「近代初頭における「排耶論」について―その構造と位置づけ―」
工藤英勝(曹洞宗人権擁護推進本部) 「近代曹洞宗と部落差別問題」
三浦節夫(東洋大学井上円了記念学術センター) 「井上円了とその時代」
圭室文雄(明治大学) 「高野山高室院文書について」
【見学会】
高野山奥の院、七堂伽藍ほか



■ 第13回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2005年8月31日〜9月2日)
長野県長野市・善光寺永代宿坊玉照院

【研究発表】
三浦節夫(東洋大学井上円了記念学術センター) 「日露戦争前の宗教論争―哲次郎と円了を中心として―」
圭室文雄(明治大学) 
【見学会】
善光寺ほか



■ 第14回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2006年9月19日〜9月21日)
北海道有珠郡壮瞥町・洞爺サンパレス

【研究発表】
大M徹也 「開拓植民と宗教」
山本世紀 「高崎仏教会の社会福祉事業」 
田中洋平 「幕末維新期の蝦夷地における曹洞宗寺院の動向」
忍関崇 「総力戦下の浄土真宗寺院―本願寺派北海道教区を例として―」
圭室文雄 「薩摩藩の廃仏毀釈」
早島有毅 「明治初期における仏教教団の北海道植民」
【基調講演】
資延憲英(深川市、石狩山真言寺住職) 「北海道観音霊場の成立と展開」
【見学会】
金比羅火口災害遺構―新高野山亮昌寺―虻田歴史公園―有珠善光寺―バチェラー夫妻記念教会堂―本願寺道路起点碑―仙台藩白老元陣屋資料館―アイヌ民族博物館



■ 第15回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2007年9月7日〜9月8日)
栃木県鹿沼市・古峯神社

【研究発表】
菅野洋介 「幕末期における関東の在地社寺と社会変容」
久保康顯 「神仏分離と地域社会」 
山本世紀 「北甘楽和敬会と釈放者保護活動について」
菅根幸裕 「近世の石裂山信仰について」
有元修一 「古峯神社の紹介等」
【見学会】
古峯神社史料、加蘇山神社、今宮神社



■ 第16回日本近代仏教史研究会夏期セミナー (2008年8月30日)
神奈川県藤沢市・時宗総本山清浄光寺(遊行寺)

【研究発表】
藤田大誠(國學院大学) 「明治期の神仏合同招魂祭に関する一考察」
江島尚俊(大正大学大学院) 「『新仏教』にみられる〈宗教〉認識の変遷」
大澤広嗣(大正大学) 「日本仏教の南方関与―大日本仏教会の事業について―」
古賀克彦(国府台女子学院) 「近代時宗の諸相―特に満州国奉天遊行寺について―」
小野文b(宗教問題調査研究所) 「アジアの法の行進と日本仏教」
【見学会】
遊行寺宝物館